レーザーイオン化質量分析

本研究室では、塩素系多環芳香族に代表される環境汚染物質やテロ活動に使われる爆発物や神経剤などの化学兵器剤の高感度かつ網羅的に分析する方法を開発しています。
ガスクロマトグラフ/質量分析法(GC/MS)は大気、水、土壌、廃棄物などの環境計測や犯罪捜査における法科学鑑定などにおいて広く利用されていて、一層の高性能化が望まれています。質量分析において分子イオンが観測されない場合には試料の分子量を求めることができず、分析対象物を同定することが困難になる場合が少なくありません。そのため分子イオンを測定できる新しいイオン化法を開発する必要があります。レーザーイオン化質量分析法は高感度で微量分析に有用であるだけでなく、レーザー波長の選択によってイオン化における選択性を制御することができます。本研究室では、分析に加えて、光イオン化機構の解明の研究も行っています。
超短パルスの発生

分析する物質をイオン化するための独自のレーザー光源の開発も行っています。これまでに虹色レーザー”レインボースター”ズなどいくつ物新しいレーザー光源の研究を行ってきました。現在は、光の波長域で極限の時間幅を有する超短光パルスの発生を目指しています。